はじめてのドレスウォッチ選び⑤: A.ランゲ&ゾーネ/ランゲ1編

Lange 1 Watch Hunting

さて過去4回にわたり引っ張ってきてしまいました、はじめてのドレスウォッチ選びシリーズ。今回は大本命ランゲ1の試着レビューをお送りしたいと思います。

前回記載させて頂いた通り、もともとA.ランゲ&ゾーネの中ではサクソニア・ムーンフェイズのみを狙っていて、ランゲ1は予算外だったのでほぼ「記念」として触らせて頂いた程度でした。しかし、一度触ったが最後、その魔力にまんまと引き込まれてしまったのです。。

過去の記事はこちらからどうぞ!

ランゲ1とは

引用: A.ランゲ&ゾーネ公式ホームページ

ランゲ1はその名前の通り、A.ランゲ&ゾーネを代表するモデルです。画像のとおりアシンメトリーな文字盤が特徴ですが、初見だとそのデザインに対して違和感を感じると思います。実は私もそうでした。

時分、秒、デイト表示、右側のパワーリザーブ表記。本来センターラインに沿ってあるべきパーツたちがあっちゃこっちゃに散らばっている様に見受けられます。

しかし、それはすべて計算ずくで作られたもの。上記の4つのパーツ群はを線で結ぶと正三角形になるように位置していて、補助線を引くと線対称になるように計算つくされているのです。ランゲ1のデザイナーはもともと数学者のキャリアがあったようで、細部に至るまで理詰めで作られているのも納得です。

引用: webChronos

人はアンバランスのなものを見たときに、ひとつひとつの要素を関連・理由付けをしようとしてしまう習性があり、それの結果ずっと気になってしまったり好きになってしまったりする、という話を聞いたことがあります。まさにランゲ1はその法則が当てはまると思います。

一見混沌としているように見える中にも、緻密な計算に基づいた「不文律」がしっかりと刻み込まれていて、見れば見るほど引き込まれていく。そんな魔力を持った時計だと思います

webChronosさんに非常に詳細なランゲ1の紹介がありますので、気になった方はぜひこちらもご覧ください。 https://www.webchronos.net/iconic/14701/

ちなみに基本スペックはこちら。

ムーブメント手巻き
ケース径38.5mm
ケース厚9.8mm
パワーリザーブ72h
価格4,829,000円
価格は2022年8月時点

実機レビュー

ブティックではWGとPG両方着けてせて頂くことができました。PGの方は写真を撮るのを失念してしまったのですが、たまたま同時に見せて頂いたサクソニア・ムーンフェイズと一緒に撮らせて頂きました。

着けてみて、ここまで気品にある時計は初めてでした。正直鳥肌が立ちました。ウェブ上で見たときはそのデザインに惹かれなかったのですが。。PGは色気があり、WGはシャープさの中にやさしさがあるというか、そのシルバー文字盤から放たれる柔らかい光が癒しのチカラを持っているように感じました。

この白いグローブがあるとちょっとイメージが湧きづらくなってしまうのですが、どうでしょうこの佇まい。。。シャツスタイルとバッチリ合います。

何度も試着させて頂いて、色々とブティックの方からもお話をお伺いし、そのほかの良いところは以下の4点でした。

  • サイズ感が非常に素晴らしい。38.5mmのケース径は私の手首周りだと丁度良く収まってくれます。厚さも10ミリを切るサイズなので、袖口の収まりは問題なし。軽すぎず主張しすぎず、十分な存在感がある様に思いました
  • 典型的な2針・3針よりも少しカジュアルさがありつつも、それでいて格式高いデザイン。弔事には向かないと思いますが、ハレの舞台やスーツには問題なくフィットすると思います。アシンメトリーデザインが少し前衛的と思いきや、そんなことはありませんでした。恐らく、ケースとラグが質実剛健なデザインな為、懐中時計に近いようなクラシカルさのおかげかもしれません
  • 実は高い機能性。72時間のパワーリザーブは実用性も十分ですが、実は100時間巻き上げ可能なゼンマイを敢えて72時間に抑えることで、発生するトルクを安定させて精度を高めているとのこと。また、アウトサイズデイトは当然ながら見やすく、かつ瞬転式なのでサクソニアと差別化が図られています
  • 裏スケもやっぱり素敵。A.ランゲ&ゾーネ特有の4分の3プレートは洋銀がすこーし黄色みがかっているところが表情があってよいと思いました。職人の手作業が見て取れるところもかなり刺さる

欠点もなく実用性も十分ですし、それでいてデザイン的にもパンチのある一本。まさに自分が今回求めていたところに「スッ」と落ちるスペックでした。

問題は値段だけ・・・

A.ランゲ&ゾーネは時計だけでなくサービスも最高であった

私が普段買い物をする際に非常に大事にしているのは、ブティックのサービスやアフターケア。その点A.ランゲ&ゾーネは他のブランドより圧倒的でした。

まず店員さんが非常に丁寧。一度ブティックにお会いして顧客カードを書くと、しっかりフォローアップのメールも頂きました。実機が入荷したことや価格改定があることも教えて頂いて、非常にスムーズなサービスを受けることができました。

また営業トークもしっかりされていて、自分の手持ちの時計とのバランスや、商品の内容をちゃんと把握されたうえで色々な提案をして下さいました。正規ブティックの方は一度グラスヒュッテの工場に研修に行くことが定められているそうで、商品に対する愛情も感じられました。

購入後のアフターケアで他のブランドと差別化されているなと思ったのは、リハービッシュ。使用に応じて付いた時計の傷は、通常ポリッシュし表面を削ることで直しますが、A.ランゲ&ゾーネは傷に対してゴールドを溶接して直すとのこと。ケースの減りがないので、サイズが変わったりエッジが緩くなったりすることがないそうです。

傷もふくめて「味」と考えてポリッシュをしない方もいらっしゃると聞きますが、私はどちらかというとピッカピカによみがえる方が好きです笑。何十年と長く使うことを考えると、このリハービッシュのサービスは非常に魅力的に映りました。(ほかのブランドでも一部やっているところもあると伺いましたが、正確には未確認です。。)

「買う理由が値段なら買うな、買わない理由が値段なら買え」

非常に悩みましたが、考えれば考えるほど、価格以外に欠点がありません。

サクソニア・ムーンフェイズとも迷いましたが、今サクソニアを買っても将来的にランゲ1が欲しくなることは目に見えてました笑。

少なくとも4回はブティックに足を運び、試着してはため息をつき、悶々として帰るを繰り返しました。

ここまで高額な時計を買えるタイミングは今回だけなので絶対に後悔したくないですし、「買う理由が値段なら買うな、買わない理由が値段なら買え」が真理だと考え。。。

漸くランゲ1を買うことを心に決めて、最後は妻と一緒にブティックに伺い、発注!!!

直後に値上げの予定もあったため、あらかじめ全額を入金しました。5月いっぴからの値上げで、実際に入金したのは4月2週目だったかと思います。駆け込み需要もあり、納期は3か月ほどになるとのこと。

はじめての雲上時計で初めての納品待ち。非常にドキドキしました。。

 

次回は、実際に納品されたときのお話と、はじめてのドレスウォッチ選びの振り返りをお送りしたいと思います。ここまでご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

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